それから海ちゃんがきて皆で咲さんの作ったケーキを食べた。
時間が立つのはあっという間で気づけば夜に。
「またね!也佳ちゃん。」
「うん。またね海ちゃん。」
「明日、学校来いよ。」
「行くよ!勿論。」
楽しかった分、寂しい気持ちが胸を一杯にした。
だけどまた明日会える。
そんな明日を待ち遠しく感じるのもいいかもしれない。
「ケーキありがとう…咲さん」
「うん。」
今、思えば咲さんはいつも楽しそうだった。
いつも笑いかけてくれていた。
何も私は返す事なんて出来ないけど、
沢山の想いやを気持ちを知る事ができた。
色んなものをもらってきた。
それに助けられて私はここまで生きてきた。
その為に私には言わないだけで、見せないだけで…
我慢してきた事もあると思う。
だから…せめて、
「咲さん…好きな人いるんでしょ?」
「…え?」
恋愛くらい…自由で良いんじゃないかな。
「咲さんの好きになった人なら会ってみたいな…」
そう言うと、何故か涙目な咲さん。
「わかった…今度、家に呼ぶね。」
静かにそう答えたあと、
「言ったら也佳ちゃんは離れて行っちゃうかもって。私の大事な娘だからさ…」
ふふって笑いながらそう言っていた。
愛ってこんなにも暖かいんだって…
私は充分、幸せ者だって…
遠慮していた部分があったけど、そんなの必要なくて認められてたんだってわかった。
するとね、涙を流す咲さんを見て親子って良いなって思った。
血の繋がりはないけれど、他の人にとっては本物の親子じゃないかもしれないけど。
私は本物よりいいと思った。
偽物の親子。
それでも、咲さんとのこの関係が心地良かった。
本物よりも輝いてる…偽物の親子。
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