「そっか、あこ、私ね拓実くんに一目惚れしたのかもしれない。」


「よし、とことん応援してあげるよ!
でもね、優宇、彼は手強いよ…」


「え、それどうゆうこと?彼女いるの?」

「いたら優宇にあんなことしないでしょ」

あんなことがさっき一緒にボールを投げたことを思い出して顔が赤くなったのを
自分でもわかった。

「優宇顔が真っ赤!実はね…」


「おーまーたーせーーー!」


ちょうどいいタイミングで圭悟たちが帰ってきた。

すると私の隣に拓実くんが座りミルクティーを差し出した。


「え、私、缶コーヒー…」


「いいよ。なんか子供みたいだから飲めそうになく見えたから。
俺のおごりだしさ。圭悟はあとの4人の買ってたけどね。

遠慮なくどうぞ」


この奇跡を信じていいのかな。

この想いを想っていいのかな。


頭の中にはもう、チャイムの音もゆうやけこやけの音も芹沢くんも、晴人もなくて


ただ拓実くんの笑顔だけが浮かんだ。



「ありがとう!拓実くん!」


「おう!」


それから、みんなで学校の話をしたり、恋バナなんかをしたりした。


恋バナのときは心臓がはちきれそうだった。
それなのに、圭悟は私に好きなタイプとか聞いてくるから
私はどうにか答えるのに必死だった。


そして、みんなで歩いて帰った。

反対方向で割と近いあこは1人で帰ったけれど
私はさんにんぐみに送ってもらった。


「ねえ、明日も遊ぼうよ!」

圭悟の提案に心が踊る。

「う、うん!あこ誘っとくね!」

「あー、俺無理かも!」

え、拓実くん…

心は地下室より深くまでさがった。


「まあ、これたら行くね」

「きてね!」

あ、私、きてねなんて、、、


「おう、任せろ」

優しいな、拓実くん。