気温は徐々に低くなり、
冬がやってくる。
生徒会役員選挙では多くの生徒がより良い学校にしようと立候補したのだった。
そして、さな先生は執行部担当になり忙しくなるばかり。
さ 咳をする。
真 『大変だ!
愛しのさな先生が咳をしている!』
「風邪ですか?」
さ 「そうなんですよ。
寒さにやられちゃって」
寒そうにする。
真 「なら、カイロをあげますよ。
さっき開けたばかりなんで」
カイロを渡す。
さ 受け取る
真 『本当は俺が抱き締めて温めてやり たい。彼女を包み込むようにそっ と、ぎゅっと。
なんなら身体の芯までも…って、ば か。(手で頬を叩く)
セクハラになってしまう。
だから、君にたくすよカイロ』
さ カイロを擦る。
「あったか~い」(真をチラッと見 る)
『このカイロ、真先生みたいだ なぁ。温かくて、優しくて、心にし みる。あたしが水なら彼は火。
二人で一緒にお湯になるの。
カイロを握ると胸がキュンとなる。
って、なにがキュンよ!
あたし風邪でやられてるんだわ!
きっと、そう!
だって、そうじゃなかったら……』
真を見る。
目が合う。
真 首を傾げる。
さ 『ドキッ…、
今日は、早く寝よう!
明日になったらこのドキッやキュン はなくなるはず!』
走り去る。