『な、なんて素敵なそのフォーム。
炭酸を操る魔術師の如く流るるそのしなやかさ、まるで小川のせせらぎのように…
コップの中で騒ぐ泡たち。あなたたちも魔術師の魅力にやられてしまったのかしら?
真先生のいいところ発見だわ!
って、なに言ってんの、あたし!
大丈夫か、あたし!』


「炭酸になりたい…」


「何か言いました?」


「はっ!?!?!?」
首が取れるんじゃないかってくらいに首を振った。
とっさに話をそらさなくてはと思い
「そ、そう言えば、さな先生って誕生日いつなんですかっ?」


「え、あ、6月30日です。
真先生は?」

「俺は、6月12日の双子座です。
さな先生は、蟹座ですよね?」


「はい!」


『よっしゃ、後で星座占いしよーっと』
「俺、B型なんですよ。
クラスの女子にB型嫌だって言われたんですよねー」


「そうなんですか?あたしは、A型なんです」


『後で、血液型の相性チェックもしなきゃな。第二関門突破かな。
これで、誕生日を祝うことができる!』


『6月12日、双子座のB型…。
あたしとの相性どうなのかな?
って、これはあくまで仕事の相性であって、ほかの感情はないんだから!
邪念なんて……ないないない!』


『祝うためには、メアドが必要だなぁ。
いや、でも、怪しまれたり拒まれたりされたらショックでかいしなぁ。
どうする、俺!』

「さな先生」


「はいっ?」


「先日、校長も言ってましたが困った時はお互い様。
何かあったら言ってくださいね?」


「助かります~。じゃぁ、メアド聞いてもいいですか?」


『今、メアド聞いてもいいかって言ったか?
そんなん、いいとも~!!だろ!』

真は即座にケータイを出した。

~赤外通信~


お互い嬉しそうにケータイを見た


後にこのケータイは二人の愛の架橋へとなるが、その話はもう少し先のこと。