時は誰も待ってくれない 上


たんだん変わっていく景色を目に焼き付けた。
私がいろんな思いをしてきた場所。
大切な場所。
目を閉じるとまだ覚えている私を呼ぶ声。

『高橋』

「最近は夢でも会いに来てくれないね…」

私は前を向く。
もう、後ろは見ないと決めた。

これから私は新しい人生を歩む―…。