「わぁ、積もってる…」
朝起きてカーテンを開けると目に映る世界は真っ白で輝いていた。
外は寒い筈なのに昨日の中谷との電話を思い出して胸と顔は熱かった。
「和樹、先に行くね」
「姉貴、なんかあった?」
「へ?」
寝癖を直しながら眠そうに洗面所から聞いてくる。
なんかって…
私はまさに今の今まで中谷のことを考えていたからかなり動揺してしまった。
「な、なんで?」
「顔がキモいくらいにやけてるから」
「な…っ!」
馬鹿にしたように鼻で笑うとリビングへと入っていった。
私そんなにキモい顔だったかな。
あの和樹が分かるくらい顔に出てたのか…
だとしたら学校では気を付けなきゃ!
キモい顔を中谷に晒すわけにはいかない。
気を引き締めて私は学校へと向かった。