あの日から優はさらに優しくなって私を宝物のように、大切にしてくれている。
どうしてなのかは分からないけど優が触れたところから優の気持ちが伝わってくるのが分かる。
私を見て穏やかに微笑む笑顔は男女問わず一目惚れするだろう。顔は整い過ぎているほどなので無表情でもイケメンだ…。
中谷とはあれから会わなくなって一ヶ月が経つけどこんなふうにまだ思い出せるのは忘れられていない証拠。
それでも私は私を見つめている優だけを想った。

「そろそろ寒くなってきたね」
「夏ならともかく秋の海は余計に寒いでしょ」
デートとなると最後は必ず海へ行きたいと言う私のわがままにも嫌な顔一つせず今日も連れてきてくれる。
夏も過ぎて季節は秋。