だから、ストンと物が落ちるみたいに、納得したのだ。・・・・そうかもねえって。
「や、まあ、一人もんの戯言だと思ってくれていいけどさ。でも、うーん・・・体力はないかもしれないけど普通に生活は出来るんでしょ?その柔らかい笑顔があれば、また新しい男が見付かるよ。今度はもっと合う男がさ」
彼は最後の所でパッと振り向いて、にっこりと笑う。私は思わず赤面してしまった。わあ・・・そんな褒め言葉男性に言われたのは久しぶりすぎて!
「・・・その・・・ありがとうございます」
「いえいえ。元々自信がない人なのかなと思って。可愛いよ、ダイジョーブ」
「か、可愛いと言われる年齢では!」
焦ったあまり舌が絡まった。ちらりと面白そうな顔をして、彼は私を覗きこむ。
「ダメ?そんなの年関係ないと思うけど~。うーん、なら、素敵な笑顔、ですよ。男を避けないで、近づいたらいいんだよ」
くらくらとしてきた。自慢ではないが、男性にも女性にも手放しで面と向かって褒められることなんてなかったのだ。元夫は愛嬌満開の人ではあったし口もうまかったけど、そんな台詞を言うには照れ屋な人だったから。
熱くなってしまった頬を少しでも冷まそうと、風に向けて顔を上げる。隣から見ている男の人の視線を避けて、顔の横に手の平を立てた。



