「だってだって私にイライラしてるんでしょう?だから原因が消える方が・・・いい、かと・・・」
言ってる声はどんどんか細くなって消えていった。だって、目の前の彼は私が喋るに連れてますます不機嫌になっていくようだったのだ。
体の横で拳をきつく握り締めて、龍さんが怒鳴った。
「そうじゃないだろうっ!!」
きゃあ~・・・!私は怖さに一瞬ぎゅっと目を瞑る。
うわああ~ん!ど、ど、どうしたら・・・。
龍さんは怯える私をぐぐっと睨みつけ、それからパッと横を向いてぐるんと両肩をまわした。
私がまだ若干の恐怖を持ちながらそれを眺めていると、彼は獣が唸るような不機嫌な声で言った。
「ああ、ダメだ!ちょっと俺ジム行ってくる。―――――――ジュンコさん」
「え、は、はい!」
くるりと振り向いた龍さんは、イライラした表情のままで私に言った。
「そのワケ判らんチラチラとビクビクが落ち着いたら電話ちょうだい。俺は俺で、あんたを苛め抜かないように発散してくるから!」
「あ・・・は、い」
龍さんが全身から怒りのオーラを発しながら自分のゴミ袋をぶんぶんと振り回し、凄い勢いで遠ざかっていく。公園の中を歩いている人達が、それを仰け反ってみつめていた。
私は力がぬけてそろそろとその場でしゃがみこむ。・・・・・・ああ、怖かったああああ~・・・。



