3つのR



 そうよ!龍さんにも都合ってものがあるじゃないの!

 私はそこに希望を見出した。

 まだ付き合って間もない男性に同棲をお願いするなんてことは私の好みではない。だけど龍さんもそうかもよ?そう思ったのだった。

 え、俺そういうのはちょっと、とか、引越しとか面倒臭い、そう言ってくれるかも!

 きっぱりと断ってくれるかもしれない!そう思ったのだ。

 と、いうわけで、私は彼に提案してみて、その後、却下をされた、という証拠をもってして、姉の提案を拒否し、自分で何とか一人暮らしをする、ということになった(あくまでの姉妹の間だけの話だ)。

 自立を最大の目標に掲げる私はここが正念場だと思ったのだ。

 夫から父へ、父から姉へ、姉から彼氏へ、ではなくて、誰の保護も協力も受けずに自分一人で暮らすということを強く望むのは、今しかないって。


 そして月曜日。

 9月に入ったばかりで、まだ真夏の勢いのままの太陽の光を避けながら、龍さんはゴミを拾っている。

 いつもの公園だ。今日も彼は私を朝迎えに来て、そのまま一緒にゴミ拾いをしているのだ。

 いい出せなくて朝っぱらから挙動不審の私。

 彼は最初、何だよ!と迫っていたけれど、それでも私が言えないのに気付き、後は肩をすくめて話を振ろうとはしなかった。

 ・・・ああ、どうしたらいいんだろう。