だけどその妹が変わりだした。それと同時に、彼氏まで出来た!それを喜んで、久しぶりに会った彼に話したら、プロポーズされたらしい。
もし――――――――もう妹さんが心配ないというなら、自分との未来を考えてくれないか、そういわれたと。
私は必死で頭の中の整理をしていた。
一度も聞いたことのない姉の恋話、しかもここ5年の情報を一気に聞いてしまって、かなりの混乱状態にあったのだ。
姉には恋人がいて・・・それで、彼氏には子供さんまでいて・・・それで、姉は・・・。
「あの・・・お姉ちゃんが結婚するのは、勿論、私は反対じゃないの。だけど・・・母親になる、それは、大丈夫なの?」
もう既に10歳の女の子の母親に、子供を産んだことも育てたこともない姉がなれるものなのだろうか。それは今の私には、果てしなく難しい環境に思えるのだ。
私の声は小さかった。だから途中から姉は食卓に身を乗り出して耳をすませていた。
それから自分の椅子に座りなおして、ケラケラと笑う。やっだわあ~、潤子ったら!そう言って手まで振って。
「大丈夫かなんて、やってみなきゃ判るはずないでしょ~!」
・・・え、まあ、それはそうかもしれないけど・・・。そこ、笑うとこなの?私は真剣に悩む自分が馬鹿みたいじゃない、と少しだけ思う。
「勿論私も自信はないし、娘ちゃんだってやりにくいはずよ。彼は娘の母親になってくれとは言わないというけど、一緒に住むんだからそういうわけにもいかないでしょ。私達は何もかもが始めてだし、そして彼は気を遣う。だからしばらく通い婚にしましょうって言ってあるの」



