「マッサージだと思ってて。・・・無理だろうけど」

「龍さんっ・・・」

 腰から下、自分の全体重をかけて私に乗り、彼は完全に私の身動きを封じてしまう。にーっこりと大きな笑顔を見せて、ベッドサイドのライトにピアスを煌かせながら言った。


「―――――――覚悟、決めて。優しくするよ。・・・多分」


 その一々つく多分が気になるのよおおおおおお~!!!そう叫びたかったけれど、出来なかった。私の唇は彼の柔らかいそれに包まれて、言葉を出す余裕なんてなくなったからだ。

 唾液を混ぜ合わせて、彼は音を立てて何度もキスをする。至近距離の龍さんの髪の毛は、私と同じカモミールの香り。

 呼吸をする暇もなかった。角度を何度も変えて彼はひたすらにキスを求める。それは深くてやらしくて、私はそれに流されて、どんどん体から力が抜けていく。

 経験の少ない私の唇がすっかり腫れ上がってしまった頃、ようやく彼は顔を離した。

「やっとキス出来た。ああ~・・・長かったぁ、ここまでが」

 低い声は満足そうだ。私は既に呼吸が上がって、言葉を返すことも出来ず、ただぐったりとベッドに寝転ぶばかり。

 龍さんの手が簡単に私の部屋着を捲り上げて、緊張して震える私の胸元に顔を埋めて熱い唇を這わす。思わず腰が跳ねて、声が漏れ出た。

「・・・ジュンコさん、スレンダーなのにボリュームあるなあ~。着痩せするんだねー、これは嬉しい驚き」

 ちょ、ちょ、何言ってるの~!?文句を言いたい。是非言いたい!だけど既に私の頭からは理性は遠のいて、まともに反抗できないのだ。