開いた画面にはメールの着信を知らせるアイコン。

 そして――――――――――

「・・・あら」

 私の小さな呟きを、耳をダンボにしていた姉が聞き逃すはずがない。え!?何、何?とすぐに後ろで叫び声を上げていた。

 私は振り返って、姉に困った顔を見せる。

 ・・・この人の返事は、聞かなくっても十分判ってる。

 だけど、今私と一緒に住んでるのは姉だけだから―――――――――・・・一応・・・。

「お姉ちゃん」

「はいっ!?何?」

「私・・・明日、旅行に行ってきてもいい?」

 姉の目が、サッと私の手の中の携帯電話を見た。それから私の顔に戻る。にんまーりと大きくて気持ちのわるい笑顔を作って、姉がぐっ!と親指を天井に突き上げた。


 いいとも――――――――っ!!!


 その叫び声を聞く前に、私は自分の部屋へと走って逃げていた。

 ・・・全く。