あの子まさか、あんたに何かしたのっ!??って。がっつりと深い皺を眉間に寄せて、それはそれは凄い勢いで。だから私は彼の名誉の為にも、本日あったことを報告することにしたのだ。

 龍さんに告白されちゃったわ、って。お姉ちゃん、信じられる?思わずそう聞いたのは、自分自身がまだ信じられなかったからだった。

 で、姉は喜んで――――――――ただ喜ぶだけじゃなく、珍しくワインなどを引っ張り出してきて、夕方の5時から飲み始め、そして、ソファーの上で見事に潰れているのだ。

「お姉ちゃん、飲みすぎよ。仕事は大丈夫なの?」

 私は姉の為についできた冷水を、ソファーで寝転ぶ姉の顔の前に持っていく。さーんきゅうう~と歌うように言いながら、姉は上半身を起こしてそれを一気飲みした。

「だいじょ~うぶよお!今回は日数もよゆ~なんだからあ!それよりあんたよ、潤子!じゅんちゃ~ん!」

「・・・若干気持ち悪いわ」

「うふふふふふ。あんたにとうとう彼氏が出来たって、皆聞いたら喜ぶわ!お母さんなんて泣くかもよ」

 泣くのでなくて、ぎっくり腰にはなるかもね、そう思った。

「・・・言わないで欲しいわ、出来たら」

 私はそんなに小声でなく、いやむしろハッキリ言ったけれど、姉はあっさりそれを無視した。

「早速実家に電話しなくちゃ!それにしても右田くん!なーんて行動力のある子なのよ!可愛いやつだ、今度きたら何か買ってあげなくちゃ~!」

「え?いやいや、やめてよお姉ちゃん!」