小6の体育大会の練習の時だったかな。


髪の毛にハエがついてるって誰かが言い出して、ついたまま動いてないみたいに言うんだ。
そのうちみんなが「きゃああー」って言って私を避けるの。

「嘘だ、誰かとってよ。本当についてるならとってよ」
って言ってもみんなはどんどん離れて行く。

みんなして、あっちいけくるなの一点張り。そのみんなの反応見てクスクス笑ってる子たちもいる。


幼なじみのMiちゃんですら周りの反応伺いながら私に近づいてきて、
「もうとったから、大丈夫」って言う。

「うそだ、死骸は?」って聞くとMiちゃんは突然地面の砂を急いで足でいじり出して「埋めたから気にすんな」って言う。

死骸なんてどこにもなかった。


それでもまだみんな私を避け続け、ずっと言う。
Miはもう大丈夫って言ってかばってくれるけど、、、。

その日は訳も分からないまま走って急いで家に帰って
普段髪の毛なんて腕が疲れるから、上がりにくいから自分で洗うの億劫でお母さんにしっかり洗ってもらってたガキなのに、
家に帰ってすぐに私が「シャワー浴びる!」って言うから母はビックリ。

シャワーなんて希が明るいうちから浴びることないのに、いつもは夜一回浴びてるだけなのにって。

お母さんはビックリしてたね。
とてもとてもビックリしていたね。

しかも自分で何度も何度も洗ってた希の姿。

「今だから言うけど精神いかれちまったって思った」
っていつだったか言ってたよね。私も自分がわからなくなってたよ。



何十回も一時間以上シャンプー使い切るまで洗い続けてた。

ハエよ消え去れと願い、ハエがまだいるんだと思い込み、
耳元でまだ残るみんなの悪口もあの冷たい視線もすべて消え去れと思いながら。


普段、洗顔すら顔に水かかるのも嫌だからシャワーだって顔にかかるのだけは避けるのに、

多分そのときの私は顔にかかってもなにしてでも髪の毛洗い続けてた。

信じられないね!(笑)


私のそんな泣きながら髪の毛かきむしって洗う姿を見てみかねた母は
「ね、髪の毛切りに行こうよ」っていう。
なだめようと必死な母の言葉に涙流しながら引きずられて美容室に連れて行ってもらいバッサリ髪の毛切った。

ハエがついた部分が消え去る。いや、どこについてたのか分からないから
とりあえずとにかく短くしてと、お姉さんに泣きながら訴える
頼んで何十cmもの髪の毛を一気に切り捨てた。


「これで納得した?もうハエはいないからついてないからだいじょぶだよ」って言う母。


私の気持ちは複雑なままだった。

次の日学校へ行ったらみんなの方が驚いてた。

からかっただけなのにまさかそんなに切るか普通、とでも言いたそうな顔をして
こっちをじーっと見てくる。指差してバカだ〜って言いながら笑ってる奴らもいる。