さんすうのテストが返される。
私は受け取って一人でこっそり見たつもりだった。
後ろの子に見られないように横向いた。
でも今度は横にいた男子が後ろから覗いてきて
私の20点は見られてしまった。
「お前はこのクラスで最下位だ!一番馬鹿だよ!」
と笑われて、すぐにそのクラスで最下位といううわさが広まってしまった。悔しい。
20てん取ることなど私には難しくて。
これでもがんばって取れた点数だったから余計に悲しかった。
家でたくさん泣いた。
がんばってとった点数を侮辱され、蔑むみんなの視線が痛い。
あのかおが頭から離れない。
ぐちゃぐちゃに丸めた答案用紙。
本当はお母さんに自慢しようと思っていた答案用紙。
ランドセルの奥深くにしまいこんだ。
でもこのいたたまれない気持ちは感情は抑えきれずに
涙が次から次へとこぼれ落ちる。
人目なんて気にせずにモノクロなこの街並み歩いた。
涙で霞んでゆく世界。
家に帰って、すぐにお母さんに何があったのか問い詰められる。
ぐちゃぐちゃな泣き顔してたもんね。
何があったのか話すと怒られる。
「なんで言い返さないんだよ」「悔しくないのか!!」
悲しくてもう怒りの感情なんて出てこなくなってる。
悔しかったよ、ママ。
言い返すこともできない悔しかったよ。
やり返すことなんてことできないよ。
私は弱いから、そんなことでも落ち込んでしまうくらい情けないだね。