なんてことないたわいない話をしながらこぐ父。
いくらくれあが体重軽くても
自分の体重プラスくれあの体重は
こぐのは重いであろう。
もうすぐ図書館。
この角を曲がって次の角を曲がればすぐってぐらいのところで事件は起きた。
急にお父さんが自転車止めた。
自転車が急ブレーキかかったとでも言ったらいいのか?
「あれ?」と言った父。
石でも引っかかったんじゃないの?と他人事な私。
父がふたたび漕ごうとペダルを踏み出した。
「あれ?進まない」
と言ってもっと力を入れて父はペダルを再び踏む。
そのとき私は火がついたように泣き出した!
痛いとかそんなレベルじゃなかった。
「ぎぃああああああああ!うわぁぁん」
と言いながら言葉にならないまま目の前にある父の背中をポカポカ必死で叩く。
自分でも気付かなかった。
気付かなかった。
まさか。まさか。
そう最初のペダルを踏み出したときに
足に違和感が走り、
くれあは自分の足を見た。
「あれ?進まない」
と父が言ってる間の出来事。
まさか!と思い、でも足が抜けない。
しかも車輪が少し動いたので足がさらにめり込んだ。
自転車の車輪の中に
わたしの足が入ってた。