生まれてからすぐに

私は舌小帯という、舌のひだを切って縫う手術を受けた。


おかげでおっぱいを飲むことができた。


舌小帯が短すぎて飲み込みが悪かった。

生きのびるための手段だ。

とはいえ、、生まれてまだ間もない壊れそうなほどに小さなちいさな赤子。

母は生まれて間もない赤ん坊の私を抱きかかえて手術に立ち会った。

目の前で我が子が舌を切られて処置されているのを見て青ざめない母親はいないだろう。


母はずっと泣いていた。

赤ちゃんの私よりもずっとずっと。



苦しかっただろう。


この時の母を思うと胸が締め付けられる。


当然生まれてすぐの記憶なんてない。