だいすきな彼がお見舞いに来てくれた、

彼はマイコプラズマ肺炎起こして風邪引いて治ったばっかだというのにどうしても会いに行きたいと言って聞かない

私が来なくていいのに、家で休んでなよって言ってるのに彼は私の目の前に現れた


看護師さんが面会の人来たよって、案内してきた


大きな荷物持って、なんで来たのよ!って思いながら


本当は舞い上がるくらい嬉しかった


ちょっとドキドキした。

彼がくれた大きな手さげから出てきたのはプレゼント。


「開けてもいい?」


ぬいぐるみだった。私がぬいぐるみ大好きなの知っているからだ。

「来年うさぎどしだから、うさぎが良いかな?思って。ウサギにした。」

くだらない話をしながら、


鬼束ちひろのDVD一緒に聴いた。

『すごい歌上手い人だね、迫力がすごい』って聴き入ってる彼の横顔見て嬉しいけど切なかった


鬼束ちひろのcallを聴いてた。


ねぇ、今ならその曲の歌詞の意味あなたは分かるかな。

ねぇ、どれだけ私があなたを愛してて、でも突き放す嘘しかなかった私の不安な思い

あなたは気付いてた?



病気や病状のことは話さない。とにかく楽しい話しかしない。

お互い分かってた。泣きそうになりながら楽しいフリして話して怖さ誤魔化してたこと。


最後帰ると言うから送るよって言ったけど、歩くの大変だから良いよ大丈夫
って気にかけてくれた言われた


なんかむしょうに離れたくなくて、もう会えない気がして学校にまた行けると信じてるのに心のどこかで不安が募るだけの自分がみじめで。


そう思ったらベッドのはじ座りながら、両手広げてた。

そんな私見て立ち上がって去ろうとしてた彼はもう一度私を抱きしめてくれた。

ギューって。息が苦しくなるくらい。

お互いの心臓の音感じるくらい、ドキドキしてた。


彼はずっと黙ってた。

もう少しだけこうさせて。ぎゅーさせてて。


「俺だと思って可愛がってあげて、」ってウサギをポンポンしてった。

『ウサギさん、名前、付けた。ちひろ。ちーちゃん。鬼束ちひろ、さっき一緒に聴いたから』


その日からウサギのちーちゃんは、犬のぬいぐるみウォーリーとともに私の入院中の寂しさ隠してくれる友だちになった。