「あたし母には一度も会ったことがないんです。
だって・・
あたしを産んですぐに死んだから・・」
もともと体の弱かった「お母さん」は、あたしを産むことを周りには大反対されていた。
その体で出産に耐えられるはずがない・・
誰の目から見てもそれは明らかだった。
「小さい頃ずっとあたしはお父さんから産まれてきたって思っていたんです。
可笑しいでしょ?
「お母さん」ってゆう存在がいないのが当たり前だったから」
でも「お母さん」は周りの反対を押し切ってあたしを産んだ。
あたしが知っているのは写真で見る「お母さん」だけ。
どんな声でしゃべるのか、
どういう人なのか、何も知らない。
誰も教えてくれなかった。


