それなのに売り切れなんてっ!!


ショックと諦めのつかない顔で店中を見渡した。




「ついさっき男性が、全部買っていっちゃってね」

人のいい店員さんが申し訳なさそうにあたしを見る。


薔薇の花を全部!?
キザな男もいるんだね!


正体の分からない男に無性に腹が立ってきた。



店の時計を見ると6時を少し過ぎていた。


「ヤバイっ早くしないとバイトに遅れる!! 

ありがとう!
また明日来るね」

店員さんに背を向けてまた走り出した。




10分ぐらい走ったところにも小さな花屋があって、そこで薔薇をゲットできた。