「えぇー!
じゃ薔薇男の正体はやっぱり紳士だったのね?」
オーナーの甲高い声が店中に響いた。
今日大志はお休み。
だからあたしとオーナーの話は終わることを知らずしゃべり続けている。
「うーんでも、
大志はホストだって」
「美桜ちゃんにもそう見えたの?」
あたしはもう一度考えてみたけど、やっぱり思い浮かぶのは薔薇男さんの笑顔。
あんなに穏やかに笑う男の人を、あたしは知らない。
例えばホストのように作られた笑顔なら、あんな風に笑えるかな。
例えばね、笑うことを忘れた人に優しく笑ってみせる。
そうすればきっと思い出すと思うんだ。
あたしもこうやって笑ってた時があったなぁって。
そんな笑顔だったんだ。


