しばらくして百合子は無事、退院した。
部室で二人だけでコーヒーとオレンジジュースで乾杯。
「先輩、元気になってよかったですね」
「ありがと!
それより、そろそろ先輩ってやめて?
あたしと平野くんの仲じゃな〜い」
目をトローンとさせて僕を見た。
「よ、酔ってるんですか」
「オレンジジュースで?」
百合子ならありえる・・。
「平野くん、下の名前、何だっけ?」
「亮祐です」
「じゃぁ亮ちゃん♪」
そう呼ばれるのは小学生以来で照れくさかった。
「あたしは百合子って呼んで?」
「呼び捨てですか?!」
「ほらっ 試しに呼んでみて?」
百合子はそっと目を閉じた。


