百合子が薔薇を抱えている姿を想像した。

真っ赤な薔薇が百合子の白い肌に映える。


綺麗・・・


あれ?

どこかで見たことある光景のように思えた。





「ブー」

「え?」


僕は急に現実に戻された気がした。



「正解は桜!
桜が一番好き。

この世界で一番、キレイな花だと思ってるの。

一瞬でもキレイに誇らしく咲いているんだ」

「う〜ん」

「どうしたの?」

「桜はどこの花屋で売ってるんだろう?」

「ふっ、はははっ」


僕と百合子の笑い声はいつまでも響いていた。