放課後、花屋に向うあたしは落ち着かなかった。 ドキドキがうるさくて止まらない・・ 走っているから? 「こんにちわー」 なんとなく薔薇男さんを意識して、声のトーンがいつもより高くなる。 「美桜ちゃん、いらっしゃーい! 今日は残ってるわよ」 バケツの中に一本だけ薔薇が寂しそうに置かれていた。 薔薇男さんもう来たんだ・・ 残念な気持ちとホッとした気持ちが交じり合っている。