「美桜?」 真っ赤な顔をしている美桜を呼んだ。 小さな足音をたてて、ゆっくりと近づいてくる。 手を伸ばせば美桜を抱きしめることができる距離・・ なのに俺の手は美桜の額に触れるのが精一杯。 迷子のように戸惑う手。 額からも感じるぬくもり、鼓動・・・もう限界だ。 美桜を壊してもいい? ・・・もう引き返せなくても。 美桜の全部をもらってもいい? ・・・あとで美桜が後悔したとしても。