しばらくして薔薇女子高生
平野 美桜は
俺の名前と携帯番号を覚えていて、電話をくれた。
受話器の向こうから聞こえる少し震えた声。
驚きよりも嬉しくて
今まで感じたことのない
感情が心の中で彷徨っている。
綺麗だと思っていたけど、まだ幼さが残る可愛さ。
妻が、菜花が苦しんでいるのに楽しいと思う自分がいた。
美桜と楽しい時間を過ごした夜からまた朝がきて、
昨日のことが嘘のようないつもと変わらない生活を過ごしていた。
仕事帰りに菜花の所に行くと
「今日の勇人、なんだか楽しそう」
と言われ内心焦ってしまった。
「図星でしょー?」
いたずらに笑う菜花。
「旦那をからかわないように!」
「はーい」
気のせいか菜花の顔色が悪いように思えた。
でもこの笑顔を見ると安心する。


