薔薇が・・
薔薇があってよかったと思った。
薔薇は俺の胸の辺りを隠してくれているから、鼓動の早さがバレなくてすむ・・・
なんて、バカなことを考えた。
それぐらい動揺していたんだ。
激しい息遣いが少し緩くなった。
そんなに一生懸命、薔薇を買うために走ってきたのか?
ホストにもらったんじゃないのか。
俺が全部、薔薇を買ってしまったことと
ホストに恋をしていると思っていたお詫びの意味を込めて
「ごめんね
これ俺から・・」
そう言って薔薇を手渡した。
花なんて興味がないし、薔薇を抱える俺の姿は笑えるだろう。
でも彼女に会えるなら、
薔薇も悪くない。


