また30分くらい待たされて、着物に着替えた菜花が入ってきた。
あー、あれだな、
黙っていれば
・・・なんとか、だ(笑)
さっきとは違って親父にもにっこりと上品に笑う。
キュッとピンク色の唇が締まる。
サラサラの黒髪が赤い着物を引き立てる。
さすが弁護士の娘、
厳しく育てられたんだろう。
俺と菜花はよく似ている、育った環境が同じなんだ。
でも菜花には自信や希望に満ち溢れたような
強い女に見えた。
見合いの恒例とも言える、「あとは若い二人で」になった。
綺麗に整えられた庭を俺と菜花は歩いた。
小鳥の鳴き声に季節を感じた。
「ふぅー苦しい」
「食べすぎ?」
「違います!
着物が苦しいんです」
菜花はプクッと顔を膨れて見せた。


