仕事は楽しかった。
兄達みたいに大事なポストにいるわけではなかったが、それが俺には合っていた。
そして適当に女遊びも覚えた。
それは親父に似たのかも知れない。
まだまだ現役の親父には何人もの愛人がいた。
もちろん、おふくろも知っていて家族の中では暗黙の了解だった。
俺はどうやらモテるらしく、女から寄ってきた。
そのままホテルに行って楽しんで朝、彼女達より早くホテルを出る。
名前も連絡先も告げず、一夜限りの関係。
その方が楽だし、それでいいと思っていた。
誰かと思い合うことも、面倒で・・・
いや、違う。
そんな、感情なんて知らなかった。


