「16番?」


「え、結沙16なの!?あたし、17だよ!」


「星菜!じゃあ私たち、前後の席!?」


「うん、やったね!」


「やったぁ!!」


結沙と星菜はお互いの手を繋ぎ、喜んだ。


(まさか私の後ろが星菜になるなんて…!嬉しすぎる!)


他のところからも様々な声が聞こえ、クラス全体が騒がしくなった。


先生はそれに負けないようにか、声を張り上げた。


「全員くじを引きましたね!では、それぞれ自分の席に机とイスを移動させてください!」


結沙は自分の机の場所に急いで戻り、移動させた。


皆の机と床が擦れる音で、クラス中がやかましくなる。


結沙はふと、そこで疑問に思った。


(あれ…そういえば、私の隣の席って誰なんだろう…)


星菜と近いということで浮かれてすっかり忘れていた。


などと考えていると、新しい自分の席に移動し終えた。


(隣は誰?)


結沙は右を見て、目を見開いた。


そして、恐る恐る名前を呼ぶ。


「浅野、くん?」