中三になり、半年が経った。


学校生活にもすっかり慣れた、そんな頃に降る四日間連続の土砂降りの雨。


(雨は嫌いじゃないんだけど…こう連続で続かれると嫌だな)


結沙は教室の窓の外を眺めながら、ため息をついた。


すると、同じタイミングで担任の女教師が言った。


「はい、では、これから席替えをします」


「――え!?」


結沙は驚いて先生を見た。


急に告げられたことだったため、朝でボーッとしていた生徒たちもざわつきだしている。


だが、先生は生徒たちの反応を楽しむように続けた。


「今回の席替えは、くじ引きとします」


その言葉に、喜ぶ生徒もいれば落胆する生徒もいた。


結沙は、落胆する生徒の一人だった。


(私、くじ運ないんだよね…。ああ、仲の良くない子たちと同じ班になったらどうしよう。けど、星菜と同じ班になれたらいいな…)


結沙が二つ隣の列の星菜をチラッと見ると、星菜も結沙の方を見ていた。


二人は小さく笑い合った。


(まあ、こればっかりはどうこう考えても仕方ないしね、うん)


結沙は一人頷いた。


すると、先生がパンと手を叩いた


「それでは皆さん、教卓の右側に男子、左に女子で並んでください」


結沙は立ち上がり、列に並んだ。


星菜は結沙の二つ前に並んでいる。


(ああ…でもやっぱり緊張するな…)


だんだんと結沙の番が近付いてきた。


(神様仏様…!どうか私と星菜の席を近くしてください!)


そうこう考える内に、結沙が引く番になった。


ドキドキしながら、結沙は箱の中に手を入れ、思い切って一つの紙を取る。


そこに書かれてあった番号は──