家に帰り、着替えた結沙はベッドにダイブした。


「はぁ…」


結沙は重いため息をつく。


(今日は色々なことがあって…楽しかったけど疲れたな…。それにしても、よりによってあんなひねくれ者で毒舌家な気分屋に惚れてしまうなんて…)


結沙は再びため息をついた。


(だってだよ?あいつ、私がちょっと問題解けなかっただけで『馬鹿』とか言ってくるし。それに対して『意地悪』って言ったら『ありがとう』とか返すし。それに、日によって態度違うし…)


だが、結沙は薫の短所を羅列したところで、薫を嫌う気にはなれなかった。


(あーもーいや!なんであんな奴のこと好きになったのよ私!)


結沙は気分を紛らわすため、星菜に向かってメールを打ち始めた。


『今日浅野がかっこいいとか思った私は不覚((』


すると、五分と経たない内に返信がきた。


『このまま結沙と浅野がくっつけばいいのにw』


結沙は、自分の頬が赤くなるのを感じた。


『い、いや、浅野が恋愛感情を抱くとかないでしょw』


と思ったままを打ち、送信した。


すると、星菜から


『へぇ…結沙が浅野を好きってところは否定しないんだ』


と返信が来た。


結沙は意外なところをつかれ、ドキッとする。


『え、いや、その…。まだハッキリとは言えないけど、好き…かもしれない』


結沙は言葉を濁しながら答えた。


すると、星菜からは明るい言葉が送られてきた。


『まぁ、いいんじゃない?あたしは応援するよ。頑張って!』


『うん。ありがとう(笑)』


結沙は送信し終えると、パタンと携帯を閉じた。


そして、枕に顔をうずめる。


(私は、浅野薫くんのことが…好き…?)


ぐるぐると渦巻く感情の整理ができず、結沙は混乱した。


(でも、この感情は…)


「嫌じゃない」


結沙は一人、ささやいた。