私はある部屋へと招かれた。



"社長室"



「お前はここにいろ」



『あっ………はい……』






「はいっていいぞ」





「親父、俺、女ができたんだ。だから今日の………」



「なにいってるんだ?お前は」



「だから、好きな女が………」


「だから、お前は私が言ったことを覚えてないのか?」




「本気で好きな女ができたから、今日の婚約発表をなくしてほしい。俺、なんでもするから。」



「覚えていないようだな………そこにいる女を連れてこい」



「…ッ……………サナ、こい」



『………はいっ………』



私はユウ先輩に呼ばれたので、社長室へに入った。



「お前、この家は、なにを経営しているグループか知っているか?」




『………知りません』



「彼女なのにしらんのか?」


「親父………!」



「お前は黙ってろ。ユウ。」



「………ッ………」



彼は拳を強く握りしめながら、社長のことを睨んでいた。



「この家は、この日本にあるほとんどのホテルを経営している。そして、世界各国でもホテルを経営している"楢崎グループ"だ。だから、ここの後継者のユウには、この楢崎グループに恥じない相手と一緒になるのが義務だ。だから、お前のような庶民とは、わかれてもらうしかないんだよ」



私はなぜか泣いていた。悔しいのもあったけど、なぜか悲しかった。



『さっきからうるさいんですよ………。私は今日初めてこの人と会ったんです。だから私はそんなこと言われる筋合いはないし、私には関係ありません…………ッ……』



なぜか涙がとまらない。
まるで、彼のことを前から好きだったかのような感情が溢れているみたいだった。
そして私はその場から逃げ出してしまった。