私は彼の家から逃げ出してしまった。
なぜか泣き止めない。



すると後ろから彼が私をよぶ声が聞こえた。


「サナーっ!!」



私は振り向いたが、こんな泣きじゃくった顔は見せられないから、また前を向き、走った。でもすぐに追い付かれてしまった。そして腕を捕まれた。



『………ッ…はなして…!…なんで…追いかけてくるの……!』






「好きだからだよ……」









『……えっ?』








「好きだからほっとけなかったんだよ……」





『でも私たち………今日初めて会ったんだよ……?』






「俺は初めてじゃない。お前がそこの公園で泣いてるのを見たんだ。あまりにも綺麗な涙だったから……………惚れた。」










『……ッ…』








「おい…!何で泣くんだよ!?」



『……ッ………わかんない…!わかんないけど……ッ…』



彼は私を抱き締めた。
そして私は思い出したかのように話した。





『あっ………私もあなたのことを見ていたの………中3のとき、あなたがいつも学校の門の前で車から出ていくところを……私、あそこ通学路だったから……その、あなたの姿を見て決めたの……。この高校にはいろうって…………。私、何でこの高校にしたんだろって思ってた。だけど、今思い出したの。あなたに抱き締められて……。』






私は彼の顔を見上げるように泣きながら笑顔で見た。





すると彼も泣いていた。






そして私達は、キスをした。優しいキスを。