「リキ君。」
私は、目の前にいる彼を見る。
「なんでしょう、詩緒梨さん。」
しおりさん、って。
なんか、いつもと違う呼ばれ方ってすごく違和感。
「リキ君、あの、私、本当、目立ちたくなくて。」
「うん?」
「その、ああいうすごく、ものすごく公共の場で、あの、き、キスとかされると、えと、……こ、困る。」
よし、言った。
そう思ってリキ君を見上げると、。
どうやら私は学習しないらしい。
「じゃあさ、詩緒梨ちゃん。」
彼は、さっきと同じように。
「ここならいいわけ?」
そう呟いて、ニヤリと笑えば。
リキ君は、自分のおでこを私のおでこにコツン、とくっつける。
