そのくらい、知ってたよ






ああ、もうどうしてリキ君のなるようにしかならないの。
急いで体を離そうとするけど、リキ君の手に固定される。




「しぃ、さ、自分が可愛いって自覚持ったらどうなの?」




「…そんなの、もともとないんだからもてない、よ。」




というか。そんなことより。



「リキ君、手。」




離して、と続けようとすれば。




「しぃ、今日生意気だよ。」





リキ君の手で強制的に上を向かされて、目の前にリキ君の顔。




「え、リキ君、ここ廊下…〜〜ッ、」




抵抗することもできずに、キスされる。


「や、だ、……ん、〜〜っ」


喋ろうとすれば、唇の隙間から生暖かいものが入ってきて。


もはや、抵抗することさえもできない。




廊下にいる人の視線がひしひしと伝わってくる。恥ずかしい。







「………リキ君、なんで廊下でキスするのっ…」




お願いだから、時と場所を選んで。