「……お兄さん……か。」


最初はあの男が関係していると思った。
でも岩本はあの男のことを“お兄さん”と言った。


別のこと……か。
悩んでることはわからない。
岩本は優しいからこそ、常に悩んでいる。
そんな気がする。


普段明るい彼女がふと見せる暗い顔の裏には何かがある。


俺はそう確信していた。


それは岩本が解決することであって、俺がどうこうできるわけじゃないけど、少しでも俺が、岩本の心の支えになればいいな。