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「お待たせ。」


しばらくして、佑斗がお菓子と飲み物を持って戻ってきた。


「オレンジジュースでよかった?」


「うん。ありがとう。」


「じゃ、始めようか。」


佑斗は私の正面に腰掛けると、文化祭の計画を始めたのだった。


「お化け屋敷と言えばこんにゃくぴとーってくっつくのが定番だよねーっ」


「確かにそれは定番だな。
でもそれだとインパクトに欠けないか?」


「確かに……」


好きな人の家にあがるなんて、絶対緊張すると思っていたけれど、思ったより緊張しなかった。
きっと、真面目なお話をしているおかげだ。


「なんかプレゼントがあるとやる気でない?
それぞれチェックポイントを置いてさ、お客様が驚いた数をカウントするの。で、いっぱい怖がった人がたくさんプレゼントをもらえる。」


「怖がらなかった人ではなく?」


「怖がらなかった人だと、少ししゃくに障らない?
怖がらなかったのになんでたくさんプレゼントしなきゃいけないの。みたいな」


「それもそうだな。」


「じゃあプレゼント計画は採用でいい?」


「ああ。
その方がお客が増えそうだしな。」


「やったね!」


自分の意見が採用されると嬉しい。
佑斗の意見が聞けて嬉しい。


変わろうと思わなければ絶対に立候補しなかっただろう実行委員も、立候補してよかったなと思った。


佑斗と実行委員、きちんとやり遂げよう。そう思った。