「少ししか経ってないのに、すごく久しぶりな気がするな。」
「月夜…」
「でもまさか、自分で自分を刺すなんてな。
千佳を悪者にしたくなかった…ただのお人好しなのか、それとも…俺を消滅させたくなかったのか。」
そんなの…
「どっちもに決まってる。」
私の言葉に月夜はフッと笑った。
「言うと思ったよ。」
「ただ、佑斗が助けにくるのは予想外だった。…お前が、佑斗に死ぬとか話すから悪い。」
「でも、結果的に私は誰も傷つけずにここに来れた。…私を連れて逝ってくれるんでしょ?」
「いや、それはまだ分からない。」
「え…なんで!?」
「お前はまだ死んでない。
生きるか、死ぬか、今お前の身体は闘ってる。…死の方が近いことは分かる。
でもまだ死んだ訳ではない。」
辛うじて心臓は動いている。
月夜は私にそう言い放った。
私の刺した刃物は、急所を少し外してしまったらしい。
生と死で言ったら死の方が近いけれど、医者の力で生き還る可能性もなきにしもあらず、らしい。
だからこうして、月夜と話せる状況ができあがってるらしい。