「月夜のことを守りたいなら、会わないでやってくれ。
そして、お前も忘れてやってくれないか、その気持ち。」
「…それだけは…!」
「…気持ちを忘れることは…できない。」
自分の気持ちに嘘をついて、何も言わずに死んでいく。
それだけは絶対に嫌だ。
だって、私は毎回そうして諦めてきたのだから。
最期は負けたくない。
「そうか…。
じゃあ、月夜と会うことだけはやめてくれ。あと6日だ。
これ以上、運命が変わらないように…」
三月さんはそう言うと、私の前から消えていった。
わかってる。
これ以上、苦しめないで。
こんなことになるくらいなら、出会いたくなかったよ、月夜。
ただ今は、月夜に会いたい。
会って、いつものように笑ってほしい。
私はいつの間にか流れた涙を止めることが出来なかった。
そして、その雫が、私の手の中にある、月夜にプレゼントしたネックレスの上に落ちた…
その時だった────


