「死神が人間に恋心を抱き、“死んでほしくない”と人間を庇ったらどうなると思う?」
「……それで、一緒に過ごせばいいんじゃないですか?」
私は素直にそう言った。
人間が死ななかったら、死神とまた別れにはなってしまうだろうけど、また生きて過ごせるなら、今度死ぬときに会えるかも知れない。
もう一度、大好きな彼に会えるならば、それでいいと思う。
「…それは無理な話だ。
“死の運命”
それを狂わせた死神に待っているのは、
“消滅”
つまり、人間のターゲットを生きる道に進ませると、死神の方が消える。」
「だから死神と人間が結ばれることは一切ない。もしも月夜がお前を好きになったのなら、俺がお前を連れて逝く。」
何を言っているのかが全くわからなかった。
月夜が私のことをどう思ってるのかはわからない。
ただ…私と月夜が結ばれて、幸せになることは絶対にない。
それだけは、よくわかった。
ねぇ、神様。
ねぇ、月夜。
なんでこんなにも、苦しいんだろう。
こんな事実がなければ、月夜が普通の人間だったら、幸せになれたのかな───……


