「お前が月夜を好きになるのは自由だ。何がどうなろうと、お前は死ぬ。
だが、もしも月夜がお前を好きになったら話は別だ。」


「だから俺が、月夜に帰ってこいと言った。…狂ってしまってからでは遅い、と。」


「でも…月夜は私のことなんか…」


「好きではない、そう言いたいのだな。」


三月さんは冷たい声を崩さぬまま、そう言った。


「はい。」


「…今は好きでなくてもアイツの心に少し変化が出たのは事実だ。
まさかこんなことになるなんてな…。」


三月さんの口から、驚きの言葉が飛び出し、私は目を見開いた。


「それって、どういう…?」


私にも、まだ希望はあるの?


「月夜とお前が両思いになることは一切ない。もしそんなことがあったなら、お前を連れて逝く死神を変える必要がある。」


え…。


「な、なんで?」


両思いになっちゃいけないの?
せっかくの、最期の恋なのだから、両思いになって終わることを何よりも望みたい。


なのになんで……