もしかして…
「あなたも死神…?」
「やはりわかるのか。」
やっぱりそうなんだ…
この人に言えば、私はまた、月夜に会えるのかも知れない。
「あの…!」
「月夜に会わせるわけにはいかない。」
彼は私の言葉を待たず、心を読んでいたかのようにそう言い放った。
「…え…」
「自己紹介がまだだったな。
我が名は三月。
死神の中のボスみたいな存在だ。」
「三月さん…」
彼がダメ、と言っても私と月夜を会わせる道は、三月さんしかいない。
「夢希。
お前は真っ直ぐすぎて危険だ。
だから、月夜をこちらの世界に戻した。それまでだ。」
「でも…!私は月夜に会いたいの!」
「そんなに月夜のことが好きなのか。」
「…はい。」
俺様で、ワガママで、言い争いばかりだったけど、楽しかった。
月夜といるときが、一番私らしかったと思う。
月夜の隣はありのままの私でいられる。
だからきっと、好きになったんだと思う。
私の返事に、三月さんは大きなため息をつくと、私に向き直った。
「お前が月夜を好きでいるのは自由だ。…だが、お前と月夜が結ばれることは一切ない。」
「…そんなこと、わかってます。」
月夜に思いを伝えても、私は死んでしまう運命。
それでも最期に、この気持ちだけは伝えたい。
「…そう言う問題じゃない。」
「え?」
三月さんは冷たい声でそう言うと、淡々と語り始めた。