“自分の気持ちに素直になる”
そうは言ったものの…
「どうすればいいの…っ!!!」
放課後、家に帰った瞬間、私は叫んだ。
月夜にアピールしたくても、月夜はもう、ここにはいない。
私はカバンの中に仕舞っていた、月夜にプレゼントしたネックレスを取り出した。
「…ねぇ、月夜。
出てきなさいよ!!!
アンタのせいで、私の運命が変わっちゃったんだからね!!!
死ぬまで責任とってよ!!!」
死ぬまで月夜といられれば、それで満足だから…。
「お願い、月夜…。」
私は反応するはずのない、ネックレスに向かって、何度も願った。
どうしても、彼に会いたかった。
どうしてこんなにも、上手く行かないのだろう。
……私の思いは、月夜に届かないの?
「月夜…あれだけ言ったのに、運命を変えてしまったのか…」
「だ、誰?」
ふと声が聞こえ、私はそちらを見た。
その人は、月夜みたいに綺麗な顔立ちをした、月夜より年上だろう男の人だった。