次の日の朝。
私は佑斗にメールをして、
学校の裏庭に呼び出した。
私が指定時間通りに裏庭に行くと、佑斗はすでに、ベンチに腰掛け待っていた。
「あ、岩本!おはよう!」
「おはよう…」
佑斗はいつも通りの笑顔で、昨日の告白なんて、なかったかの様だった。
そんな佑斗の様子に私は正直困惑していた。
「それで、話って…昨日のこと?」
「うん…。」
「そっか。」
佑斗は私の様子を見て、全てを察しているようだった。
「佑斗…私ね、佑斗のこと大好きだった。だから3週間くらい前だったら素直に喜んでた。」
「でも、ある人が現れたせいで私の歯車は狂った。」
「…月夜さん?」
「うん。月夜。」
嘘をついても、佑斗には見抜かれていて。でも、本当のことなんか言えなくて…
「佑斗、言ったよね。
“岩本が消えてしまいそう“って。」
そこまで気づいてるとは思わなかった。
佑斗は人のことをよく見ていて…。
「うん。言ったな…。」
「信じられないかも知れないけど、月夜は死神なの。…私、あと6日で…死んじゃうんだ。」
私の言葉に佑斗は信じられないと言うような顔で私の顔をまじまじと見つめた。
そりゃ当たり前だと思う。
私だって、突然余命宣告されて…信じられる訳なかった。
「なんで…死ぬことになってるんだよ。」
「それはわからない。
…私は元気だし、どういうことで死ぬのかは、月夜は教えてくれなかった。」
「…お前はそれでいいのかよ!」
佑斗と出会って初めて、こんな大声を聞いた気がした。
それだけ、私のことを心配してくれてるんだ…。
「…もちろん嫌だよ。
でも今は、月夜に連れて逝ってもらえるなら、それもいいかなって思ってる。」
それはきっと、月夜のことが、好きだからだ。