出会ったのはこんな気まぐれだった。
コウモリだと思ったら、猫で。
猫だと思ったら吸血鬼だった。

そして、ただの人間だっただけ。

その2人とずっと一緒に居ることになった。
運命なんだって、思ったけどそうでもなかった。

奏斗が嫌いすぎて…。

…………好きで。


「音色〜話がある」

ヘルメンが人間界の神社に飛んできた。

「あれ、奏斗は?」

いつも聞いてしまう。
何故だか気になるが、嫌いな奏斗。
消えてたら…って思ってしまう。

「今日は魔界に居る、それより…」

可愛い顔のヘルメンが深刻な顔をして、神社に設置してある椅子に座った。
その横に音色も座る。

「何?」

「奏斗が消える可能性がある…」


「え…」

いつもうるさい音色のテンションは段々と下がってく。

「音色は奏斗の事嫌いだろ?」

「うん。大っ嫌い真面目なとことか、説教するとことかイラつくし…」

大きく風が吹いて巫女服と髪が乱れる。



「俺は消えて欲しくないから、お前に言うけど、奏斗の事を心の底からは嫌いになるな。
嫌いな思いが強すぎると奏斗は消えてしまう。
それも運命かもしれないが…頼む。」


心からお願いされてる感じだった。

ヘルメンが可愛い反応以外で、正直な態度取ってるのは初めて見た。


「大っ嫌いの上にはいかないから、大丈夫だよ。
私は奏斗を心の底からは嫌いにならない」


そう誓った。

「頼んだぞ」