【続】恋愛のやり直し方

ここは、みんな仕事をしている場所。


真理子だって例外じゃない。

副編集長になって、ますますプライベートを削ってるって言ってた。



友田だって、新作のプロットを持ち込んでの打ち合わせだったハズ。


もしも、この件で新作の話が流れたりしたら、サラリーマンのように規則的にお給料がもらえるワケではない彼にとって、それは死活問題だ。



なのに、私は……



自分の感情のまま、こんなところまで来て、彼らに迷惑をかけている。




大人のやることじゃない。





頭のなかで自分の軽率さに気がついたこの瞬間、この場から消えてなくなりたいほどの羞恥心に襲われる。


そして、気が付けば、握られた手を振り払っていた。




同時に振り向く驚き顔の友田。



「どうしたの?」


友田のその顔だけで、ひどく心配させてるのは分かってる。
だけど、このままこの手に甘えてはいけない。


これは、私が一人で考えなくてはいけないことだと思った。