空席になった向かいの席を焦点を合わせることなくただボーッと眺める
頭で何かを考えるのはもちろん、何かを感じることもできなくて、ただ無意識に動かした右手は、空になったカップを掴んでいた。
空だと気がついたのは、口をつけてからだった。
どれだけボーッとしてるのかと自分でも笑いが漏れたその瞬間
「お前は、またなんて顔してんだよ」
頭上から懐かしくて温かい声が降ってきた。
その声が耳に入ってきた瞬間、なんで、この人はこういうタイミングで現れるんだろうと泣きそうになる。
私が振り返ることもしなかったせいか、はぁーっと盛大なため息を吐いて向かいの空席に腰を下ろしたのは、は久しぶりに会った立花さん。
「あーあー、どんな苛められ方したんだよ?」
「な………んで?ここに?」
質問されたのに、質問で返すとかあり得ないことをやってしまってる事にさえ気がつかない心理状況に、苦笑する立花さん。
「なんでって、俺が聞きたいよ。
なんで綾が緑風館の女将とこんなとこで会ってんの?」
頭で何かを考えるのはもちろん、何かを感じることもできなくて、ただ無意識に動かした右手は、空になったカップを掴んでいた。
空だと気がついたのは、口をつけてからだった。
どれだけボーッとしてるのかと自分でも笑いが漏れたその瞬間
「お前は、またなんて顔してんだよ」
頭上から懐かしくて温かい声が降ってきた。
その声が耳に入ってきた瞬間、なんで、この人はこういうタイミングで現れるんだろうと泣きそうになる。
私が振り返ることもしなかったせいか、はぁーっと盛大なため息を吐いて向かいの空席に腰を下ろしたのは、は久しぶりに会った立花さん。
「あーあー、どんな苛められ方したんだよ?」
「な………んで?ここに?」
質問されたのに、質問で返すとかあり得ないことをやってしまってる事にさえ気がつかない心理状況に、苦笑する立花さん。
「なんでって、俺が聞きたいよ。
なんで綾が緑風館の女将とこんなとこで会ってんの?」

