【続】恋愛のやり直し方

あまりにストレーに向けられている敵意に怯みそうになった。




見に覚えのない敵意。


しかも、相手が見えない。



それだけで十分私を怯えさせる。


カタカタと震えだす体。
怒鳴られた訳じゃないのに、耳の奥からキーンと音が鳴る。



体は自然とこの身を守る準備を始めている。




ダメ………お願い頑張って私



いつも通り薄れていく意識。




それをとどまらせようと必死に自らの手に爪をたてる。


ギュッと握った手のひらにギリリと爪が食い込んでいく。



鈍い痛みで、意識を取り戻す。



すると、そんな状況を知らない受話器の向こう側から盛大なため息と共に信じられない言葉が返された。


「私が誰かって？まぁいいわ、教えてあげる。

私はねーーーー」


「…………え」


それ以降の会は、よく覚えていない。
ただ、必死にメモをとっていたのは覚えている。